皮膚科特定疾患指導管理料とは?
厚生労働大臣が定める特定の皮膚疾患の患者さんに対して、皮膚科などの医師が療養上必要な指導管理を行った場合に算定できる項目です。
特定疾患により、ⅠとⅡに分かれています。
皮膚科特定疾患指導管理料Ⅰ
天疱瘡、類天疱瘡、エリテマトーデス(紅斑性狼瘡)、紅皮症、尋常性乾癬、掌蹠膿疱症、先天性魚鱗癬、類乾癬、扁平苔癬並びに結節性痒疹及びその他の痒疹(慢性型で経過が1年以上のものに限る)
皮膚科特定疾患指導管理料Ⅱ
帯状疱疹、じんま疹、アトピー性皮膚炎(16 歳以上の外用療法を必要とする患者)、尋常性白斑、円形脱毛症及び脂漏性皮膚炎
Ⅰは、Ⅱに比べて重い疾患といえるでしょう。また、どちらも皮膚科、皮膚泌尿器科を標榜している医療機関でないと算定できません。
算定のポイント
月に1回のみ
算定できるのは月に1回です。同月に(Ⅰ)と(Ⅱ)を行った場合でも算定は1回となりますので、どちらか点数の高い方を算定します。
入院中の患者には算定できない
入院中の患者に指導を行った場合は算定できません。外来患者のみ算定できます。
初診料算定日から1月以内は算定できない
初診料算定日から1月以内の指導料は、初診料に含まれるため算定できません。
退院日から1月以内は算定できない
退院日から1月以内の指導料は、入院基本料に含まれるため算定できません。
カルテ例とレセプト記入
カルテの例でみてみましょう。

10月5日に「皮膚科」で皮膚科特定疾患指導を行っています。
「帯状疱疹」は「皮膚科特定疾患指導管理料Ⅱ」の対象疾患ですが、傷病名の開始日からこの日が初診日ということがわかります。
初診料算定日から1か月を超えていないので、この日は皮膚科特定疾患指導管理料は算定できません。

この場合は、初診料算定日から1か月を超えていますので算定することができます。
皮膚科特定疾患指導管理料Ⅱ = 100点
レセプトは次のように記入します。

摘要欄には、略号と点数を記入し、点数欄は1か月分の合計点を記入します。
まとめ
皮膚科特定疾患指導管理料は、算定自体は難しくありません。
患者の疾患でⅠとⅡに分かれますので、傷病名をよく確認しましょう。
また、初診料算定日から1か月以内は算定できません。
初診料算定日は、皮膚に関する疾患でなくても初診扱いですので間違えないようにしましょう。