【R6年版】薬剤料の算定方法!算定の単位とは?レセプトへの記入方法

投薬

薬材料とは、処方された薬剤に係る費用です。

保険診療で認められた薬剤は「薬価表」に収載されており、すべて価格(円)で表示されています。

保険請求は点数によって行われますので投薬に使用された薬剤も点数に換算していく必要があります。

それでは早速、薬材料の算定方法についてみていきましょう。

まず、薬剤料を算定するときは、「薬剤料の算定単位」と「薬剤料の計算方法」が重要になります。

「薬剤料の算定単位」

「単位」とは、薬剤料を求めるときの算定の基準となるもので、内服薬、頓服薬、外用薬でそれぞれで違います。

区分 単位
内服薬 1剤1日分
頓服薬 1回分
外用薬 1調剤

内服薬は、1剤につき1日分の総量が1単位となります。

頓服薬は、1回に出された総量が1単位となります。

外用薬は、1調剤分の総量が1単位となります。

薬剤の区分によって、薬材料を算定する単位も違ってくるため、カルテに書かれている薬剤がどの区分になるのかを判断することがまず大事になります。

分からない方は、「内服薬、頓服薬、外用薬の見分け方」を見てください。

この算定単位で求めた合計薬価を、次の「薬材料の計算方法」で点数に変えていきます。

「薬材料の計算方法」

合計薬価が、15円を超えているかいないかで計算方法が異なります。

15円以下 ・・・ 1点(※投薬、注射以外は0点)

15円超え ・・・ 薬価/10(小数点以下は五捨五超入)

15円以下の場合は、計算することなく1点となります。

15円を超えている場合は、薬価を10で割り、端数が出たときは小数点以下を五捨五超入します。

五捨五超入は聞きなれないと思いますので、次の例をみてみましょう。

五捨五超入

・25.3円 → 25.3円/10=2.53 小数点以下の0.5が、0.03超えているので繰り上げ。 → 3点

・355円 → 355円/10=35.5 小数点以下の0.5が、ちょうど5なので切り捨て。 → 35点

このように、小数点以下が5を超えていれば繰り上げとなります。

次の例でも考えてみましょう。

・A薬 1錠(1錠30円)

30円×1錠=30円

15円を超えているので、30/10=3点

・B薬 1錠(1錠8.6円)

8.6円×1錠=8.6円

15円を超えていないので、0点

・C薬 2錠(1錠8.6円)

8.6円×2錠=17.2

15円を超えているので、17.2/10=1.72

0.5を超えているので繰り上げ → 2点

練習問題①

練習問題にチャレンジしてみましょう。

それでは、「薬剤料の算定単位」と「薬剤料の計算方法」を基に、区分ごとに薬材料を計算してみましょう。

内服薬の算定

<薬価:ロキソニン錠60mg 1錠 15.9円 / マーズレンS配合顆粒 1g 14.7円>

11/1は受診日で、「Rp」は投薬を行ったという意味です。

いつどれだけの量をどれくらい服用するか決められているので内服薬です。

内服薬の算定単位は、「1剤1日分」です。

2種類の薬剤が書かれていますが2つ合わせて「1剤」です。また、「1日分」とは、1日に飲む薬の総量のことです。

ロキソニン3錠と、マーズレンS配合顆粒3gを合わせた量が、1日分の総量になります。

水色の部分が「1剤分」で、青色の部分が「1日分服用量」です。

・1日分服用量の計算

ロキソニン錠60mg 1T 15.9円 × 3T = 47.7円

マーズレンS配合顆粒 1g 14.7円 × 3.0g = 44.1円

・1剤分の計算

47.7円 + 44.1円 = 91.8円

つまり、91.8円がこの内服薬の単位薬材料になります。

先ほどの薬剤料の計算方法をあてはめます。

「91.8円」は、15円を超えているので割る10をして点数に変えていきます。

91.8 / 10 = 9.18

五捨五超入をすると切り捨てになります。

9.18 → 9点

よって、「1剤1日分」の薬材料は「9点」となります。

9点は1日分の点数ですが、それが7日分でてますので、×7をします。

9点 × 7単位 = 63点

この内服薬の薬剤料は、「63点」となります。

摘要欄には、使用した薬剤の品名と、規格、実際に使用した量をそれぞれ記入します。

このとき、必ず薬価表に記載されている正式な品名、規格、単位で記入しましょう。

つづけて、1剤1日分の「9」と、単位の「7」を、「×」で分けて記入します。

点数欄は、コード21の内服薬の欄に単位と合計点を記入します。

頓服薬の算定

<薬価:ポンタールシロップ3.25% 3.25%1ml 6.40円>

「3P」は、「3回分」という意味ですので頓服薬になります。

頓服薬の算定単位は「1回分」です。

5mlが「1回分服用量」になります。

ポンタールシロップ3.25% 1ml 6.40円 × 5ml = 32.0円

32.0円がこの頓服薬の単位薬材料になります。

15円を超えているので割る10をします。

32.0/10 = 3.20

五捨五超入は切り捨てとなるため、1回分は「3点」となります。

1回分は3点ですが、3回分でているため、×3をします。

3点 × 3単位 = 9点

この頓服薬の薬剤料は「9点」になります。

摘要欄には、薬価表に記載されている品名、規格、単位で記入します。

品名に3.25%、規格にも3.25%と、同じ意味の場合はレセプトに記入する際はどちらか省略できます。

点数欄は、コード22の頓服薬の欄に単位と合計点数を記入します。

外用薬の算定

<アラセナA軟膏3% 1g 304.60円>

薬価表の外用薬に記載されているものは外用薬の算定になります。

外用薬の算定の単位は「1調剤」でした。

1調剤分とは、「1回投与した全部の量」ということです。

4gを2本処方しているので、8gが全部の量になります。

アラセナA軟膏3% 1g 304.60円 × 8g = 2436.8円

2436.8円がこの外用薬の単位薬材料です。

15円を超えているので、割る10をします。

2436.8円/10 = 243.68

五捨五超入は繰り上げですので、「244点」となります。

全部の量をこの時点で処方しているので、×1となります。

244点 × 1単位(外用薬の場合は必ず1) = 244点

この外用薬の薬剤料は、「244点」となります。

摘要欄は、薬価表に記載されている品名、規格、単位で記入します。

薬価表の単位は「g」ですので、「4g2本」と書いてしまわないよう注意しましょう。

点数欄は、コード23の外用薬の欄に単位と合計点数を記入します。

ビタミン剤の投与

ビタミン剤とは、薬価表に「ビタミン」の記載があるものです。

これらの薬剤料は原則、算定することはできません。

ただし、次のような場合は算定できます。

・ビタミン欠乏症、末梢神経炎、中枢神経障害、神経痛、関節痛、筋肉痛など、医師がビタミン剤の投与が有効であると認めた場合。

・食事からのビタミン摂取が困難な患者。

・流動食のうち、一分粥、三分粥、五分粥を食している場合。

このような理由からビタミン剤を算定した場合は、レセプトにその旨を記載する必要があります。

ただし、病名からビタミン剤の投与が必要と判断できる場合は記載する必要はありません。

また、ビタミン剤は、内服薬、注射薬のみとされており、外用薬にビタミン剤は認められていません。

まとめ

・薬剤料を算定するときは、内服薬、頓服薬、外用薬の見分け方が大事!

・薬材料の算定単位は、内服薬は「1剤1日分」頓服薬は「1回分」外用薬は「1調剤」

・薬材料の計算方法は、薬価が15円以下 → 1点、15円超え → 薬価/10(小数点以下は五捨五超入)

・ビタミン剤は例外を除いて算定不可。

投薬は薬材料だけではありません。次は、調剤料、処方料などについて学習していきましょう。

 → 【投薬③】調剤料、処方料、麻薬等加算、調剤技術基本料の算定とレセプト作成

練習問題②

練習問題で確認しましょう。

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