【R4年版】調剤料、処方料、麻薬等加算、調剤技術基本料の算定とレセプト記入

投薬

次に、調剤料、処方料、麻薬等加算、調剤技術基本料についてみていきましょう。

外来と入院では点数は異なりますが、基本的な考え方は同じです。

調剤料

調剤料とは、さまざまな薬を取りそろえたり、調合したり、薬袋や容器にいれたりするときの技術料のことです。

表からも分かるように、内服薬、頓服薬合わせて「1処方につき」1回の算定で、外用薬は別に算定できます。

この「1処方につき」とは、「1回の診察で処方されたすべてのもの」という意味で、薬剤の種類や投与日数などは関係なく、診察時に処方されたすべての薬剤が「1処方」となります。

例でみてみましょう。

・内服薬のみ(1処方) → 11点

・内服薬と頓服薬(1処方) → 11点

・内服薬と外用薬(1処方) → 11点 と 8点

午前と午後に処方された場合はそれぞれが1処方になるので、その日は2回の調剤料が算定できます。

・午前 内服薬(1処方) → 11点   午後 内服薬(1処方) → 11点

また、内科と外科など、別々の医師が処方した場合も、それぞれに調剤料が算定できます。

・内科 内服薬(1処方) → 11点   外科 外用薬(1処方) → 8点

処方料(コード25)

処方料とは、どのような薬をどれくらいの期間患者さんに投与すべきか、医師が考えるときの技術料になります。

内服薬、頓服薬、外用薬のどれを何種類処方しても、合わせて「1処方につき」1回の算定となります。

考え方は調剤料と全く同じです。

・内服薬と内服薬(1処方) → 42点

・内服薬と頓服薬を処方(1処方) → 42点

・内服薬と頓服薬と外用薬(1処方) → 42点

・午前 内服薬(1処方) → 42点   午後 内服薬(1処方) → 42点

・内科 内服薬(1処方) → 42点   外科 外用薬(1処方) → 42点

また、処方料には次の加算ができる場合があります。

特定疾患処方管理加算

厚生労働大臣が定める特定疾患を主病とする患者さんに投薬を行った場合に加算できる項目です。

特定疾患を主病とする科でのみ算定できる

特定疾患とは、悪性新生物(癌)や高血圧症、糖尿病、脂質異常症、気管支喘息など、厚生労働大臣が指定する疾患です。医学管理の「特定疾患療養管理料」を算定する場合と同じ疾患になります。これら疾患を主病としている科において算定します。

200床未満の病院、診療所のみ算定できる

特定疾患を主病としていても、200床以上の病院では算定できません。

処方期間などにより1と2に区分される

処方期間が28日未満・・・特定疾患処方管理加算1(月2回)

 ※処方された薬剤が、主病に対する薬剤でない場合も算定できます。

処方期間が28日以上・・・特定疾患処方管理加算2(月1回)

 ※処方された薬剤が、主病に対する薬剤でないと算定できません。

処方期間は1剤ごとにみていきます。1処方すべての薬剤が28日以上である必要はありません。

例1)A薬 〇錠 14日間

   B薬 〇錠 21日間

A薬、B薬、それぞれ28日未満なので、特定疾患処方管理加算1を算定。

※A薬とB薬の処方期間を足して計算することはできません。

例2)A薬 〇錠 14日間

   B薬 〇錠 28日間

B薬の処方期間が28日以上なので、特定疾患処方管理加算2を算定。

※B薬が特定疾患に対する薬剤か薬価表で調べる必要があります。特定疾患に対する薬剤でない場合は特定疾患処方管理加算2は算定できませんが、A薬が28日未満のため特定疾患処方管理加算1が算定できます。

また、特定疾患処方管理加算1と特定疾患処方管理加算2は、同月に重複して算定することはできません。

3歳未満の加算

患者さんが3歳未満であれば処方料に加算します。

「1処方につき」1回の加算です。

麻薬等加算(コード26)

麻薬や覚せい剤などの依存性や危険性の高い薬剤を処方したときに加算できる項目です。

・外来患者 → 調剤料と処方料に加算。

・入院患者 → 調剤料に加算。

薬価表の薬価欄に「麻」「向」「覚」「毒」と表示してあるものが該当します。

(薬価表)

各表示の意味は次のとおりです。

「麻」・・・麻薬

「向」・・・向精神薬

「覚」・・・覚せい剤

「毒」・・・毒薬

「劇」・・・劇薬

「造」・・・造影剤

※「劇」、「造」は加算の対象ではありません。

麻薬等加算は、「1処方につき」1回の算定です。

1処方の中で、2種類以上の麻薬や向精神薬などが含まれていても算定は1回です。

・A薬(麻薬)、B薬(向精神薬)を1処方 → 麻薬等加算 1回

調剤技術基本料(コード27)

薬剤師の管理のもと調剤が行われた場合に算定できる項目で、薬剤師が常時勤務していない場合は算定できません。

月に1回の算定

同じ月に2回算定することはできません。

同月に処方箋が交付された場合は算定不可

同じ月に「処方箋」(コード80)が出されていた場合は、薬剤師が常勤していたとしても調剤技術基本料は算定できません。

薬剤管理指導料、在宅患者訪問薬剤管理指導料と重複算定不可

同じ月に、医学管理の「薬剤管理指導料」、「在宅の在宅患者訪問薬剤管理指導料」を算定した場合は算定できません。

レセプトへの記入

内服薬、頓服薬、外用薬のそれぞれについて、調剤料、処方料、調剤技術基本料、加算のレセプトへの記入の仕方を見ていきましょう。※外来患者で薬剤料は計算済み。

内服薬

<薬剤料9点 6歳以上の患者 薬剤師常勤>

内服薬が処方されています。

薬剤料・・・9点×7単位=63点

調剤料・・・1処方につき 11点

処方料・・・1処方につき 42点

調剤技術基本料・・・月1回 14点

頓服薬

<薬剤料3点 6歳以上の患者 薬剤師常勤>

頓服薬が処方されています。

薬剤料・・・3点×3単位=9点

調剤料・・・1処方につき 11点

処方料・・・1処方につき 42点

調剤技術基本料・・・月1回 14点

頓服薬の調剤料は、内服の調剤料の欄と同じところに記入します。

外用薬(3歳未満)

<薬剤料244点 3歳未満の患者 薬剤師常勤>

薬剤料・・・244点×1単位=244点

調剤料・・・1処方につき 8点

処方料・・・1処方につき 42点 + 3歳未満の加算 3点 = 45点

調剤技術基本料・・・月1回 14点

3歳未満の加算は、処方料と合わせて記入します。内服薬、頓服薬の場合でも同じです。

特定疾患処方管理加算を算定した場合

<特定疾患処方管理加算1>

<特定疾患処方管理加算2>

摘要欄には、略号と回数を記入します。

点数欄はコード25に記入します。左側は空欄とし、回数、処方料と特処の合計点を記入します。

麻薬等加算を算定した場合

<コデインリン酸塩酸10%3g(麻薬) 薬剤料44点>

点数欄のコード26に、算定した回数、合計点を記入します。

まとめ

●調剤料(1処方につき)・・・内服薬、頓服薬、あわせて11点。外用薬は別に8点。

●処方料(1処方につき)・・・内服薬、頓服薬、外用薬どれを何種類投与しても42点。

・特定疾患処方管理加算・・・特定疾患が主病、200床未満の医療機関にて算定。

 ・特処1(月2回)・・・投与期間が28日未満。対象疾患に対する薬剤でなくても算定可。18点。

 ・特処2(月1回)・・・投与期間が28日以上。対象疾患に対する薬剤でないと算定不可。66点。

・3歳未満の加算・・・3歳未満の患者に投与した場合処方料に+3点。

●麻薬等加算(1処方につき)・・・調剤料に+1点、処方料に+1点。

●調剤技術基本料(月1回)・・・同じ月に処方箋を交付した場合と、薬剤管理指導料、在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定した場合は、算定不可。

薬剤料の算定方法については、こちらを参考にしてください。

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